【パティスリー301の菓子図鑑 第5章】心を込めた「ありがとう」を形に。パティスリー301の、特別な焼き菓子詰め合わせ。
お客様の「ありがとう」を形に
先日、一台の特別なご注文をいただきました。 とある男性が、ご自身の人生にとって、とても大切なイベントの際に、お集まりいただいた方々へお渡しする「心ばかりの品」として、当店の焼き菓子を選んでくださったのです。
そのお話を伺った時、私たちの胸は、静かな感動でいっぱいになりました。 誰かを想い、感謝を伝える。その大切な瞬間に、私たちのお菓子が側にいられること。それは、菓子屋にとって、何よりの喜びです。
箱の中に詰めた、8つの小さな物語
ひとつひとつ、形も、食感も、香りも違う、個性豊かな焼き菓子たち。 今回の詰め合わせには、フランスの伝統的な焼き菓子を中心に、8つの物語を詰め込みました。
例えば、黄金色に輝く「フロランタン」。クッキー生地よりも厚いのでは?と思うほどたっぷりと乗せた、キャラメルとアーモンドスライスの層がパティスリー301流。濃厚な甘さと香ばしさが、口いっぱいに広がります。
そして、少し意外な一品が「チイズサブレ」。二種類のチーズと、ピリリと効かせた胡椒が主役の、甘くないお菓子です。ワインがお好きな方への贈り物にも、きっと喜んでいただけるはず。
素朴な見た目の「プティブールナンテ」は、あえてカチカチの食感に焼き上げています。ミルクティーにそっと浸して、少しずつ柔らかくなるのを待つ時間もまた、愛おしいものです。
その他にも、バターが豊かに香る「ガレット・ブルトンヌ」や「ショートブレッド」、チョコレートの風味がたまらない「ショコラアマンド」など、それぞれにこだわりの焼き菓子たちが、箱の中で出番を待っています。
言葉のいらないコミュニケーション
私たちは、その日、贈る方の「ありがとう」という気持ちと、受け取る方々の笑顔を想像しながら、いつも以上に心を込めて、オーブンへと向かいました。
お菓子は、言葉のいらないコミュニケーションだと思うのです。 大切な方への贈り物として、私たちの焼き菓子たちが、お客様の温かい気持ちを届ける、ささやかなお手伝いができたなら、これほど嬉しいことはありません。