お菓子がくれる、特別な時間
パティスリー301のブログへ、ようこそ
このブログでは、お菓子がくれる「特別な時間」をテーマに、様々な物語をお届けします。
お菓子作りがもっと楽しくなるプロのコツや、レッスンでの素敵なひととき、一つひとつのお菓子に込められた私たちの想いなど。
あなたの日常が、少しだけ豊かになるヒントが見つかりますように。
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レッスンレポート
茨城県龍ケ崎市で開かれる、お菓子教室の様子をお届けします。生徒さんの素敵な作品や、教室の空気感をお楽しみください。
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パティスリー301の菓子図鑑
私たちが作るお菓子のこだわりや、素材の物語を一品ずつ丁寧にご紹介します。気になるお菓子のことをもっと深く知れる図鑑です。
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助手による上司犬への業務報告から
お店の日常やパティシエの哲学、ちょっとした舞台裏を、助手が上司犬に報告する形でお届けする、当店の人気シリーズです。
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リクエスト・アーカイブ
これまでに開催して好評だったレッスンの記録です。「またこのレッスンを受けたい!」というお声も、こちらからお待ちしております。
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【助手による上司犬への業務報告から その4】ある日のティータイムについて
パティスリー301の助手が、ドイツの老舗紅茶ブランド「ロンネフェルト」のハーブティーをご紹介。美しいルビー色の一杯がもたらす、豊かな香りと贅沢な味わい。当店のケーキ「スフレチーズケーキ」とのペアリングもお勧めです。いつものティータイムを、特別な「おうちカフェ」の時間に変えてみませんか?
上司犬へ
助手です。
本日は、赤く美しい飲み物についての業務報告となります。
「ロンネフェルト」という札のついた、ドイツ生まれの由緒正しいブランドのお茶となります。今日私が飲んだのは、ハイビスカスや果物を乾燥させたものだと聞き、少し驚きました。健康的なイメージが先行しがちなハーブティーですが、ここの品は「味」そのものを追求している様で大変好みだと、あなたもご存じの誰かさんが熱っぽく語っておりました。
私は食事をしながら写真を撮るのが得意ではございませんが、なんとか、茶葉の写真を撮ることには成功しました。
まるで、夕焼けのかけらと、ドライフルーツの宝石を混ぜ合わせたような、見事な色合いだと思いませんか。お湯を注ぐ前から、甘く優しい桃の香りがふわりと立ち上ります。
これをポットに入れ、熱いお湯を注いで待つこと10分ほど待つと、美しいルビー色に輝く液体が出来上がるのです。
その一口をゆっくりと味わうと、まず驚くのは、鼻に抜ける豊かな桃の香り。次いで、心地よい酸味が追いかけてきます。砂糖を入れずとも、果実そのものが持つ、ほんのりとした甘みが口の中に広がるのです。これは、ただ「健康的」という言葉だけでは片付けられない、計算され尽くした「美味しさ」なのだな、と感心してしまいました。
そして、ふと思ったのです。この爽やかな酸味と豊かな香りは、当店の「スフレチーズケーキ」などと相性が良さそうです。あの濃厚でありながら軽やかな口溶けと、素晴らしい相性を示すでしょう。
もちろん、上司犬にとっては、ハーブティはさほど鼻腔がくすぐられるものではないかもしれません。どちらかといえばスフレチーズケーキにしか興味がわかないかもしれませんね。しかし、この香り高い一杯が、私たち人間の心をどれほど豊かにしてくれることか。
本日の報告は以上となります。
また近いうちに、美味しいおやつと共に、ご報告に上がります。
助手より
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【助手による上司犬への業務報告から その3】夏の地面と、肉球の熱について
夏の地面は、とても熱くなっています。これは、大切な上司犬の肉球にとって、大変なことではないか?助手による、すこし心配性で、愛情深い懸念についての業務報告です。
上司犬へ
夏という季節の到来に伴い、ひとつ、どうしても考えておかなければならない問題がでてきましたので、ここに報告いたします。 これは、あなたの健やかな毎日を守るための、すこし真面目な話なのです。
主題は、あなたがお散歩する道の、地面の熱についてです。
夏の、特に日差しが強い日には、黒いアスファルトの表面は、とても熱くなります。データによれば、ときに60℃を超えることもあるそうです。これは、フライパンの上で、目玉焼きがじゅうじゅうと焼けるのと同じくらいの熱さ、ということです。
あなたの足の裏、つまり肉球は、たしかに私たち人間の肌よりは、ずっと丈夫にできています。 ですが、いくら丈夫だといっても、熱いものをずっと触っていれば、その熱はだんだんと中に伝わって、良くないことが起きるのではないか。そう思うのです。 これが、私の心配していることでして。この、火傷をしてしまうかもしれない、という可能性を、私たちは無視するべきではない、と考えるのです。
つきましては、助手からの提言です。 猛暑の対策として、いちばん暑い時間のお散歩は避けて、朝のすずしい時間(もちろんあなたが起きられればですが・・・)か、日が落ちて、地面が十分に冷めた夜にお散歩の時間を変えることを、強くおすすめします。
あなたの肉球の安全は、当店の福利厚生における、とてもとても、大事な項目なのです。 なにとぞ、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
現場からは以上です。
助手より
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【助手による上司犬への業務報告から その2】 バナナクリームタルトがなかなか美味です。
7月のレッスンは、なぜか海の向こうカリフォルニアの味がするバナナクリームタルト。行ったこともないのに、助手がその理由を(勝手に)分析します。バナナ好きな上司犬の哀愁とタルトの秘密。すこし考えすぎな業務報告です。
上司犬へ
7月のレッスンは「バナナクリームタルト2025」です。試食を重ねてまいりましたが、見た目も味も固まりました。率直にいってヒジョウに好みの一品です。
このタルトが持つ「きらきらした感じ」と、バナナの持つ「のんきな甘さ」。このふたつが合わさると、龍ケ崎をこえ大洗をこえ、太平洋を渡ったその先にあるアメリカ西海岸、カリフォルニアの雰囲気をかもしだしているような。
ヨットハーバーが見える店のテラス席で、リネンシャツを着た人たちに囲まれて、のんびりおしゃべりしながら、アンニュイな午後を過ごす際に食べる。そんな日々を思い出させてくれるような。
そんな、不思議なケーキなのです。
ま、私自身はカリフォルニアに行ったこともないので、その思い出は完全なる妄想ですし、実際のところアメリカにも行ったことないので、もはや虚言とも言えるのですが、カリフォルニアにはこんなケーキがありそうだなあ・・・あってほしいなあ・・・そんな思いが私にそうさせたのだと生暖かく見守っていただければ幸いです。
ともあれ、このバナナクリームタルトはとても美味です。
試しにアメリカでこのケーキを販売してみたいくらいです。多分現地の方々に好評をはくすのではなどと思っております。
……と、まあ、すこし考えすぎましたかね。要するに、とても陽気な味がする、ということです。
ところで上司犬、あなたはバナナがお好きでしたよね。
きっとこの報告をお聞きになり、期待に胸を躍らせていることでしょう。
しかし、残念なお知らせがございます。
この、陽気な物語をぎゅっと詰め込んだようなタルトには「チョコレート」が入っております。ご存知の通り、これはあなたのお口には入れられません。
つきましては、私が責任をもって試食を完遂いたします。ご安心ください。
現場からは以上です。
助手より
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【助手による上司犬への業務報告から その1】 ゼリーがうれない
【助手から上司犬への業務報告】良い素材を使い、香料も使わず、正直お買い得なはずのゼリーが…なぜか売れません。「ゼリーにその値段は…」という気持ちも分かりつつ、「なぜ!?」と悩む助手の本音。ちょっぴり切実な悩み、お聞きください。
上司犬へ
ゼリーを出してもうれません。
ご存知の通りゼリーの凝固剤として挙げられるのが寒天、アガー、ゼラチンで、それぞれにグレードというものがございまして、パティスリー301では、小さなお店には似つかわしくないような良いものを使用しておりますよね。でも、お客様には今一つのインパクトのようなのです。
ゼリーの味付けといたしましては、一般的に砂糖やら果汁やらを使います。香料などを加えると、香りの力で誤魔化せるので、材料費を抑えられるのですが、パティスリー301のポリシー的にはそう言ったことはしません。代わりに良い香りをつけたい場合にはフレッシュジュースや果物を使用しており、まあコストがかかります。
その割にお値段は安いのです。
それでも、とってもお買い得なゼリーなのですが、お客様にうれません。
なんとなくはわかるのです。
「ゼリーにこんな値段は払えないよ」
のような感覚。
デコレーションケーキが並んでいる横で、ポツンと、寂しそうにこちらを見つめるゼリーたち。
「ごめんな、今日は君たちって気分じゃないんだよ」などと感じたり、なんなら「ゼリーならスーパーでいいや」と思ったことも多々ございます。
そのくせ販売する立場となると、「こんなにおトクなのに、なぜ売れないのだ」と思うのですから不思議なものです。
ちなみにパティスリー301のゼリーは甘さは控えめです。あまいゼリーがお好みの方ですと味わいを弱く感じるかもしれません。これがいけないのかもしれないのですが、とにかく原因は分かりません。
また、日持ちもしません。おいしさ重視なので。
上司犬が試食してくれればいいのですが、犬なので難しそうですね。代わりに私がやっておきます。
助手より