お菓子がくれる、特別な時間
パティスリー301のブログへ、ようこそ
このブログでは、お菓子がくれる「特別な時間」をテーマに、様々な物語をお届けします。
お菓子作りがもっと楽しくなるプロのコツや、レッスンでの素敵なひととき、一つひとつのお菓子に込められた私たちの想いなど。
あなたの日常が、少しだけ豊かになるヒントが見つかりますように。
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レッスンレポート
茨城県龍ケ崎市で開かれる、お菓子教室の様子をお届けします。生徒さんの素敵な作品や、教室の空気感をお楽しみください。
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パティスリー301の菓子図鑑
私たちが作るお菓子のこだわりや、素材の物語を一品ずつ丁寧にご紹介します。気になるお菓子のことをもっと深く知れる図鑑です。
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助手による上司犬への業務報告から
お店の日常やパティシエの哲学、ちょっとした舞台裏を、助手が上司犬に報告する形でお届けする、当店の人気シリーズです。
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これまでに開催して好評だったレッスンの記録です。「またこのレッスンを受けたい!」というお声も、こちらからお待ちしております。
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【LX100】高性能ゆえの退廃。F1.7レンズとクロスプロセスが描く世界
LX100が映し出す「退廃的な美」の正体について。マイクロフォーサーズセンサーとF1.7レンズという当時の技術の結晶が、クロスプロセスと出会うことで生まれる「高性能ゆえの崩し」を考察します。
ブログ記事の中でアクセス数が存外に多い「LUMIX DMC-LX100」
上司犬へ
「LUMIX DMC-LX100」について、技術的な側面から考察した結果、ある種の「凄み」に到達しましたので報告いたします。
小さな筐体に詰め込まれた、当時の「本気」
改めてスペックを確認してください。 この小さなコンデジの筐体に、一眼規格である「マイクロフォーサーズ」の大型センサーを搭載していること。 そして何より、開放F1.7という非常に明るい高性能レンズが組み合わされていること。
ピントが合いにくいのは、この大型センサーと大口径レンズという、リッチな光学系を制御するために、当時の技術アセットの限界まで挑んだ証です。
そう、このカメラは、どこまでも真面目に作られた「本気」のカメラなのです。使ってみて面白いったらありません。
「思った通りに撮れない」という機能
そうは言っても、10年前のカメラです。つまりLUMIX DMC-LX100は立派な「オールドコンデジ」です。現代のスマホや最新ミラーレス一眼は、シャッターボタンに指をかけた瞬間、被写体に完璧なピントを合わせます。撮影者の意思が、そのまま遅延なく画像になります。
しかし、この10年前のLX100はそうはいきません。 撮ろうとしても、ピントが迷い、シャッターが落ちるまでに一瞬の間(ま)が生じます。撮れた写真を見返すと、狙っていた主役ではないものが写っています。
階調が「壊れた」写真の美しさ
LUMIX DMC-LX100にはフィルター機能が内蔵されています。「真面目な高性能コンデジ」が、クロスプロセスというフィルターを通した時に見せる表情は印象的です。
被写体の輪郭、光の粒子までを克明に解像しようとします。 センサーは、そこにある豊富な情報量を余すことなく受け止めます。実はこのカメラはマイクロフォーサーズセンサーにも関わらず、画素数は有効1280万画素しかありません。このアンバランスが写真に独特の柔らかい風味を与えてくれます。
その「圧倒的な情報量」を持った画像データに対し、クロスプロセスフィルターが大胆な色変換を行う。 ここがポイントです。
元画像が粗いわけではありません。 極めて緻密に、繊細に描かれた線や質感がベースにある状態で、色だけが現実から遊離していく。 緻密であるがゆえに、崩れた時のインパクトが強いのです。
そして、思った通りに合わないピントが加わると、自分はなんてことなしに撮影したはずなのに、何やら特別な魅力を放つ作品になるのです。
10年後の「今」だからこそ
高精細な描写力を持つレンズと、それをあえて退廃的な色調に変えるソフトウェア。 この二つが同じ筐体の中でせめぎ合うことで、単なる「レトロ」という言葉では片付けられない、独特の重厚な世界観が生まれています。
「高性能」と「遊び心」が、10年という時間を経て、得も言われぬ調和を見せています。 このカメラだからこそ辿り着ける描写が、確かにそこにありました。
現場からは以上です。
助手より
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「美味しい色」には勇気が必要!チョコパウンドとクッキーの研究報告
「焦げる手前」まで待てますか? 美味しい焼き色に必要なのは、技術よりも「勇気」でした。熱心な生徒さんと共に挑んだ、チョコパウンド&クッキーの研究報告レポートです。
レッスン報告をお届けいたします。上司犬(看板犬)も、オーブンから漂う芳醇な香りに、鼻をヒクヒクさせていたようですね。生徒さんの周りで、熱心に観察なさっていて相変わらずの仕事熱心さに感服いたしました。
熱心な「生徒」さんとのセッション
本日のゲストは、とっても熱心な生徒さんでした。 その眼差しの真剣さといったら、まるで未知の定理に挑む科学者のよう。そんな姿勢に触発されて、先生はもちろん、私(助手)もやる気がみなぎってしまったのです。飛び交う質問のレベルの高さに、私たちのテンションも急上昇でした。
「美味しい色」への境界線を超える勇気
今回作成したのは「チョコレート入りパウンドケーキ」と「型抜きバタークッキー」。 写真をご覧ください。このしっかりと焼き込まれた表情。お菓子作りにおいて重要なのは、この「焼き加減」なのです。
「焦げてしまうかも?」という不安に打ち勝ち、しっかりと火を入れること。 美味しい色合いに仕上げるには、オーブンの前でギリギリまで待つ「勇気」が必要なんですね。このパウンドケーキの割れ目から覗く生地のコントラストは、その勇気が勝利した証(あかし)なのです。
バタークッキーに見る「均一性」の美学
型抜きクッキーも同様です。ただ抜くだけでなく、均一に熱を行き渡らせることで、粉の旨味を最大限に引き出す。これらすべてが「丁寧な仕事」の結果だと言えます。
「楽しかった!」とおっしゃっていただけ、何よりでございました。楽しさの裏には、勇気を持って技術に挑んだという「知的な喜び」があったはずだと、私は分析しています。それは、お菓子作りを通して感じる喜びの中でも、とびきり特別なものです。
またいつでも、この教室で、新しい発見をご一緒しましょう。上司犬とお待ちしております。
【助手による上司犬への業務報告から その5】10年前の相棒、LUMIX DMC-LX100と再会した話
10年前に購入した古いコンパクトデジタルカメラ、LUMIX DMC-LX100。最新機種には性能で劣るものの、その不完全でノスタルジックな写りには、なぜか心惹かれる魅力がありました。当店の哲学とも通じる、古いカメラとの再会の物語。
上司犬へ
先日、業務とは直接関係のない、しかし、私たちの仕事の根幹に関わるかもしれない、ある発見をいたしましたので、ここに報告いたします。
先日、10年前に購入したパナソニックのデジタルカメラ、LUMIX DMC-LX100がひょっこり出てきました。当時はそれなりに奮発して手に入れた記憶があるカメラです。電池を充電してみて、使ってみることにしました。
10年前の「高級」という性能
せっかくなのでと電源を入れてみたところ、まずは時計の設定画面です。2014年から選べるあたりが、時代を感じさせます。
数枚シャッターを切ってみたんです。今の最新のカメラと比べると、その性能は正直言って「物足りないな」と感じるレベル。オートフォーカスの速度はもっさりしているし、高感度性能も今ひとつ。動画を撮ってみてもとんでもなく手ブレをするので、今時のスマホの方がよほど良い映像ができあがります。出てくる写真も、なんだか全体的にぼんやりしている。なんだろう、味付けが薄いというか、今の補正がしっかりかかった画像とは違います。
なぜか心惹かれる、不完全な写り
でも、なぜでしょう。撮った写真を見返していると、妙に心惹かれるものがあるんです。最新のカメラが作り出す、完璧でクリアな写真とは違う、どこかノスタルジックで温かみのある写り。レンズの個性なのか、センサーの特性なのか、はたまた私の思い出フィルターがかかっているのか…せっかくなのでいくつか昔の写真も漁ってみることにしました。
今ではニーズがほとんどなくなっている、いわゆる「オールドコンデジ」。でも軽くて取り回しがしやすい、そして何より、写真を撮るという行為そのものを純粋に楽しんでいる自分がそこにいました。
今のカメラは、あまりにも高性能すぎて、私が何も考えなくても「良い写真」を撮ってくれる。それはそれで素晴らしいことなのですが、LX100は、普通の風景を普通に出してくれるんですよね。感動は薄いんですけど、「普通」ってこういう感じだったよな、と思い出させてくれるような。
「普通」は、特別だということ
もちろん、ブログに載せるなら最新のカメラで撮った方がきれいに見えるのは間違いないのですが、こうして古いカメラを引っ張り出して、その写りを楽しむのも悪くないなと。
特にパティスリー301は、「普通を特別に」というよりは、「普通って、それ自体が特別なんですよ」というフィロソフィーが根底にあったりするので、しばらくこのカメラを使ってみようと思った次第です。
これからも、このLUMIX LX100は私の「相棒」として、現代のカメラとは違う、独特の世界を切り取ってくれることでしょう。
現場からは以上です。
助手より
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【助手による上司犬への業務報告から その4】ある日のティータイムについて
パティスリー301の助手が、ドイツの老舗紅茶ブランド「ロンネフェルト」のハーブティーをご紹介。美しいルビー色の一杯がもたらす、豊かな香りと贅沢な味わい。当店のケーキ「スフレチーズケーキ」とのペアリングもお勧めです。いつものティータイムを、特別な「おうちカフェ」の時間に変えてみませんか?
上司犬へ
助手です。
本日は、赤く美しい飲み物についての業務報告となります。
「ロンネフェルト」という札のついた、ドイツ生まれの由緒正しいブランドのお茶となります。今日私が飲んだのは、ハイビスカスや果物を乾燥させたものだと聞き、少し驚きました。健康的なイメージが先行しがちなハーブティーですが、ここの品は「味」そのものを追求している様で大変好みだと、あなたもご存じの誰かさんが熱っぽく語っておりました。
私は食事をしながら写真を撮るのが得意ではございませんが、なんとか、茶葉の写真を撮ることには成功しました。
まるで、夕焼けのかけらと、ドライフルーツの宝石を混ぜ合わせたような、見事な色合いだと思いませんか。お湯を注ぐ前から、甘く優しい桃の香りがふわりと立ち上ります。
これをポットに入れ、熱いお湯を注いで待つこと10分ほど待つと、美しいルビー色に輝く液体が出来上がるのです。
その一口をゆっくりと味わうと、まず驚くのは、鼻に抜ける豊かな桃の香り。次いで、心地よい酸味が追いかけてきます。砂糖を入れずとも、果実そのものが持つ、ほんのりとした甘みが口の中に広がるのです。これは、ただ「健康的」という言葉だけでは片付けられない、計算され尽くした「美味しさ」なのだな、と感心してしまいました。
そして、ふと思ったのです。この爽やかな酸味と豊かな香りは、当店の「スフレチーズケーキ」などと相性が良さそうです。あの濃厚でありながら軽やかな口溶けと、素晴らしい相性を示すでしょう。
もちろん、上司犬にとっては、ハーブティはさほど鼻腔がくすぐられるものではないかもしれません。どちらかといえばスフレチーズケーキにしか興味がわかないかもしれませんね。しかし、この香り高い一杯が、私たち人間の心をどれほど豊かにしてくれることか。
本日の報告は以上となります。
また近いうちに、美味しいおやつと共に、ご報告に上がります。
助手より
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【助手による上司犬への業務報告から その3】夏の地面と、肉球の熱について
夏の地面は、とても熱くなっています。これは、大切な上司犬の肉球にとって、大変なことではないか?助手による、すこし心配性で、愛情深い懸念についての業務報告です。
上司犬へ
夏という季節の到来に伴い、ひとつ、どうしても考えておかなければならない問題がでてきましたので、ここに報告いたします。 これは、あなたの健やかな毎日を守るための、すこし真面目な話なのです。
主題は、あなたがお散歩する道の、地面の熱についてです。
夏の、特に日差しが強い日には、黒いアスファルトの表面は、とても熱くなります。データによれば、ときに60℃を超えることもあるそうです。これは、フライパンの上で、目玉焼きがじゅうじゅうと焼けるのと同じくらいの熱さ、ということです。
あなたの足の裏、つまり肉球は、たしかに私たち人間の肌よりは、ずっと丈夫にできています。 ですが、いくら丈夫だといっても、熱いものをずっと触っていれば、その熱はだんだんと中に伝わって、良くないことが起きるのではないか。そう思うのです。 これが、私の心配していることでして。この、火傷をしてしまうかもしれない、という可能性を、私たちは無視するべきではない、と考えるのです。
つきましては、助手からの提言です。 猛暑の対策として、いちばん暑い時間のお散歩は避けて、朝のすずしい時間(もちろんあなたが起きられればですが・・・)か、日が落ちて、地面が十分に冷めた夜にお散歩の時間を変えることを、強くおすすめします。
あなたの肉球の安全は、当店の福利厚生における、とてもとても、大事な項目なのです。 なにとぞ、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
現場からは以上です。
助手より
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【助手による上司犬への業務報告から その2】 バナナクリームタルトがなかなか美味です。
7月のレッスンは、なぜか海の向こうカリフォルニアの味がするバナナクリームタルト。行ったこともないのに、助手がその理由を(勝手に)分析します。バナナ好きな上司犬の哀愁とタルトの秘密。すこし考えすぎな業務報告です。
上司犬へ
7月のレッスンは「バナナクリームタルト2025」です。試食を重ねてまいりましたが、見た目も味も固まりました。率直にいってヒジョウに好みの一品です。
このタルトが持つ「きらきらした感じ」と、バナナの持つ「のんきな甘さ」。このふたつが合わさると、龍ケ崎をこえ大洗をこえ、太平洋を渡ったその先にあるアメリカ西海岸、カリフォルニアの雰囲気をかもしだしているような。
ヨットハーバーが見える店のテラス席で、リネンシャツを着た人たちに囲まれて、のんびりおしゃべりしながら、アンニュイな午後を過ごす際に食べる。そんな日々を思い出させてくれるような。
そんな、不思議なケーキなのです。
ま、私自身はカリフォルニアに行ったこともないので、その思い出は完全なる妄想ですし、実際のところアメリカにも行ったことないので、もはや虚言とも言えるのですが、カリフォルニアにはこんなケーキがありそうだなあ・・・あってほしいなあ・・・そんな思いが私にそうさせたのだと生暖かく見守っていただければ幸いです。
ともあれ、このバナナクリームタルトはとても美味です。
試しにアメリカでこのケーキを販売してみたいくらいです。多分現地の方々に好評をはくすのではなどと思っております。
……と、まあ、すこし考えすぎましたかね。要するに、とても陽気な味がする、ということです。
ところで上司犬、あなたはバナナがお好きでしたよね。
きっとこの報告をお聞きになり、期待に胸を躍らせていることでしょう。
しかし、残念なお知らせがございます。
この、陽気な物語をぎゅっと詰め込んだようなタルトには「チョコレート」が入っております。ご存知の通り、これはあなたのお口には入れられません。
つきましては、私が責任をもって試食を完遂いたします。ご安心ください。
現場からは以上です。
助手より
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【助手による上司犬への業務報告から その1】 ゼリーがうれない
【助手から上司犬への業務報告】良い素材を使い、香料も使わず、正直お買い得なはずのゼリーが…なぜか売れません。「ゼリーにその値段は…」という気持ちも分かりつつ、「なぜ!?」と悩む助手の本音。ちょっぴり切実な悩み、お聞きください。
上司犬へ
ゼリーを出してもうれません。
ご存知の通りゼリーの凝固剤として挙げられるのが寒天、アガー、ゼラチンで、それぞれにグレードというものがございまして、パティスリー301では、小さなお店には似つかわしくないような良いものを使用しておりますよね。でも、お客様には今一つのインパクトのようなのです。
ゼリーの味付けといたしましては、一般的に砂糖やら果汁やらを使います。香料などを加えると、香りの力で誤魔化せるので、材料費を抑えられるのですが、パティスリー301のポリシー的にはそう言ったことはしません。代わりに良い香りをつけたい場合にはフレッシュジュースや果物を使用しており、まあコストがかかります。
その割にお値段は安いのです。
それでも、とってもお買い得なゼリーなのですが、お客様にうれません。
なんとなくはわかるのです。
「ゼリーにこんな値段は払えないよ」
のような感覚。
デコレーションケーキが並んでいる横で、ポツンと、寂しそうにこちらを見つめるゼリーたち。
「ごめんな、今日は君たちって気分じゃないんだよ」などと感じたり、なんなら「ゼリーならスーパーでいいや」と思ったことも多々ございます。
そのくせ販売する立場となると、「こんなにおトクなのに、なぜ売れないのだ」と思うのですから不思議なものです。
ちなみにパティスリー301のゼリーは甘さは控えめです。あまいゼリーがお好みの方ですと味わいを弱く感じるかもしれません。これがいけないのかもしれないのですが、とにかく原因は分かりません。
また、日持ちもしません。おいしさ重視なので。
上司犬が試食してくれればいいのですが、犬なので難しそうですね。代わりに私がやっておきます。
助手より